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園長のひとりごと

2018年8月のひとりごと

熱中症について

 
 今年の夏は例年以上に猛暑日が続き、熱中症で救急搬送されたり、お亡くなりになる人が増えています。西日本豪雨災害で避難されている方やボランティア活動に駆け付けた方も熱中症に悩まされています。平成27年、28年のデータでは熱中症で亡くなった人の約80%が65歳以上の高齢者でした。また、子どもは体質上、熱中症になりやすいので特に注意が必要です。
 熱中症とは、熱い環境や体温が下がりにくい状況で起こる、体の異常のことをいいます。以前は夏の暑さや炎天下で具合が悪くなったり倒れたりすることを日射病と呼んでいました。また、医学的には、その重症度により熱疲労、熱けいれん、熱射病などと呼ばれていました。しかし、現在では夜間などの、必ずしも日が照り付ける灼熱のような環境でなくても発症する恐れがあることから、一括りにして「熱中症」と呼ばれています。
 熱中症の原因は、体温が上昇して体温調節機能のバランスが崩れ、体内に熱が溜まってしまうことです。体温が上昇すると体は適度な体温を維持するために、汗をかいたり皮膚温度を上昇させたりして熱を体外に放出します。この機能が損なわれたことにより熱中症が発症します。子どもが熱中症になりやすい理由には、以下の6つがあげられます。①大人に比べて熱を体内で作りやすい。②暑い環境にいると、熱を吸収しやすい。③からだが小さいので、血液の量が大人よりも少なく、手足まで広がっていきづらい。④汗腺が未発達で、体温調節がうまくできない。⑤のどが渇いても自分から水分補給がしたいと申告しにくい。⑥大人と比べて暑さに順応することに時間がかかる。
 子どもの熱中症対策として以下のものがありますので、参考にしてください。①水分補給:脱水症状の予防はもっとも重要な熱中症対策です。こまめな水分補給を忘れないようにしてください。子どもは夢中になると、水分補給を忘れてしまいがちです。保護者の方や周囲の大人がしっかりと気にかけ、こまめに水分補給させるようにしてください。水分は可能ならば、塩分を含んだスポーツドリンクや市販の経口補水液がお勧めです。②直射日光を避ける:直射日光は子どもの熱中症の大きな原因のひとつです。子どもに帽子をかぶらせ、頭部に日光が直接あたることを避けることが重要です。子どもはすぐに帽子を脱いでしまうことが多いので、こまめにチェックして帽子をきちんとかぶらせることが重要です。③風通しの良い服装をする:熱が体内にこもることが熱中症のそもそもの原因です。風通しのよい服を着せ、なるべく体温調節が効くようにすることが大切です。④エアコンを使用する:暑い日にはエアコンの使用を避ける必要はありません。また、エアコンを使用している際にはエアコンの風が直接当たることは避けるようにしてください。学校におけるエアコンの設置状況には市町村によりかなり差があります。全ての保育所・幼稚園・認定こども園・学校にエアコンが設置されることを切に願っています。
 子どもの熱中症の症状(サイン)には、頭痛を訴える、嘔吐した、吐き気を訴える、熱が出ている、寒気を訴える、いつもより元気がない、しんどそうにしている、ふらふらしている、目がまわると言う、からだの痛みを訴える、鼻血、手足のしびれ、また腹痛や下痢の症状が出ることもあります。さらに重度の熱中症の場合は、意識がない、けいれんしているなどの誰がみても明らかな異常を示します。7月に校外活動の後に熱中症で亡くなった小学生がいましたが、疲れたと訴え、元気がなかった時点で対応すれば大事に至らなかった可能性があり、とても悔やまれます。
 子どもの熱中症対策を参考にして大人も熱中症に注意して残りの夏を乗り切りましょう。
 
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